ちんたら村の山本さん|”子ども目線を起点に”暮らしをつくる人
千葉県富津市豊岡。 山に囲まれたこの場所に、「ちんたら村」と呼ばれる小さな拠点があります。次世代の子どもたちを育める環境を作る里山子育てコミュニティです。
2025年9月にスタートしたハンターバンク豊岡は、ここ「ちんたら村」を拠点に活動中。会員アンケートでも評価の高いエリアです。
今回、ハンターバンク豊岡の現地スタッフを務めるちんたら村の山本和志さん(32歳)にお話を伺いました。
山本さんは、ちんたら村の立ち上げメンバーであり、現在は村長として暮らしています。 もともとは保育の仕事に関わっていたという、少し変わった経歴の持ち主です。

■「子ども中心」で考えると、暮らしが変わる
山本さんの話を聞いていて印象的なのは、 すべての判断の軸が「子ども」にあることです。
便利かどうかではなく、 安全かどうかでもなく、 「この環境は子どもにとってどうか」。
そこから逆算して、今の暮らしができていったといいます。
ちんたら村では、完成された遊び場があるわけではありません。 ピザ窯をつくるのも、畑を整えるのも、子どもたちと一緒です。
少し不便で、少し時間がかかる。 でも、その過程そのものが体験になります。
「できあがったものを使うより、つくるほうが面白いんですよね。」
そんな言葉が、強く印象に残りました。
そして、子どもにとって大切なことは、大人にとっても大切なことがたくさんある。
子どもを中心に考えることで、ちんたら村は、大人にとっても子どもにとっても愛される場所に育っているように思います。
■なぜ、この場所なのか
都市部での生活も選べたはずです。 それでも山本さんは、この豊岡という場所を選びました。
理由はシンプルで、 「自然との距離が近いから」。
山、川、土、そして生きもの。 それらが“特別な体験”ではなく、日常の中にあること。
都会のコンビニもレストランもないけれど、 日常の自然が子どもにとって一番大事な環境だと考えています。
■命と向き合うということ
自然豊かな豊岡では、野生動物は身近な存在です。 それは時に農作物を荒らし、駆除の対象にもなります。
「ただ遠ざけるだけじゃなくて、ちゃんと向き合わないといけないと思っていて。」
山本さんは、狩猟やジビエにも関わるようになりました。
獲ること、解体すること、食べること。 その一連の流れを、自分の中で切り離さない。
「きれいごとじゃなくて、現実としてあるものなので。」
淡々とした言い方ですが、 その言葉には豊岡で生活するという覚悟があると感じました。
■特別じゃないけど、ちゃんとある日常
もちろん、毎日がうまくいくわけではありません。
たとえば、朝からわなの見回りに出ても何もかかっていない日。 ぬかるんだ山道を歩いて戻ってくるだけで終わることもあります。
畑の手入れも、天気ひとつで予定が崩れます。 前日に整えた畝が雨で流れてしまうこともある。
大雨の後は、流れた土砂を片づけるだけで、 1週間分の仕事が先送りになることもあります。
「まあ、それも含めてですね。」
と、少し笑いながら話す山本さん。 うまくいかない日も含めて日常として受け止めている、山本さんの自然との距離感だなと感じます。
■ちんたら村への関わり方
ちんたら村では、関わってくれる人を募集しています。
村民として継続的に関わる形もあれば、 ふらっと遊びに来るだけでも構いません。
山本さん主催のイベントに参加してみるのも一つの入り方です。
まずはこの場所に来て、空気を感じてみる。 豊岡に来てみる。
そこから、自分に合う関わり方を見つけてもらえたら十分だと思います。
ちんたら村についてもっと知りたい方は、こちらも覗いてみてください。
→ちんたら村
次の記事では、ちんたら村への関わり方のひとつ、狩猟の体験ができるハンターバンクについて、もう少し具体的に紹介していきます。