ハンターバンクが箱わなを選んだ理由
ハンターバンクとわな猟
ハンターバンクは、狩猟に関心はあるものの、まだ一歩を踏み出せていない人に向けたサービスです。
そうした人が無理なく関われる猟法として、箱わなを使ったわな猟を中心に選んでいます。
狩猟は大きく「銃猟」と「わな猟」に分かれ、わな猟はさらに「くくりわな」と「箱わな」に分かれます。銃猟には猟銃の所持許可を得るための手続きが必要ですし、獣害対策を行うべき場所が民家に近く、銃猟そのものが禁止されている地域も少なくありません。
では、なぜわな猟の箱わななのか。
結論から言えば、ハンターバンクのように初めて狩猟に関わる人が多い仕組みにおいて、箱わながもっとも適しているからです。理由は、安全性が高いこと、観察と改善を重ねながら学びやすいこと、そして運用をコントロールしやすいことの3つにあります。
安全で効果的な方法として、箱わなを選んでいます。ここからは、安全性・学びやすさ・運用性という観点から、くくりわなとの違いを見ていきます。
イノシシやシカを捕獲するわなとしては、くくりわなと箱わなが一般的です。どちらも有効な猟具ですが、性質はかなり異なります。
箱わなは、鉄製の箱の中にエサを置き、獣が中に入って仕掛けに触れると扉が落ちて閉じ込める猟具です。
▲箱わな
くくりわなは、動物の痕跡、特に足跡や獣道を読み解き、「どこに足を置くか」を予測して設置する猟具です。この読みの精度が捕獲結果を大きく左右するため、習得には経験と技術が求められます。
▲くくりわな
安全性の高さ
ハンターバンクが主に箱わなを選んだのは、捕獲した獣と人間の間に、ワイヤーメッシュという物理的な壁を作れるからです。
捕獲された獣は当然ながら興奮しており、人が近づけば暴れますし、直接接触すれば大きなけがにつながります。くくりわなの場合、獣はワイヤーにつながれているだけなので一定の範囲を動き回ることができ、捕獲者が近づく方向や距離を誤れば、突進や反撃を受けるリスクがあります。また、ワイヤーが切断されたり、かかりが甘くワイヤーが外れたりして、獣が逃げ出してしまうこともあります。
一方、箱わなでは獣の動ける範囲が箱の中に限られ、人間は箱の外にいて、両者の間にはワイヤーメッシュの壁があります。この構造のおかげで、捕獲後の確認や止め刺しの際にも、人と獣の距離を管理しやすくなります。
▲箱わなで捕獲された親イノシシ
とはいえ、箱わなであれば絶対に安全というわけではありません。扉のストッパーが不十分で、捕獲した動物が逃げ出してしまうこともあります。また、止め刺し後に完全に死亡していない動物を、死んだと思い込んで扉を開けてしまい、襲われる事故も実際に起きています。箱わなであっても油断はできないということです。
それでも、初心者を含む会員が現場で学び、地域の獣害対策に関わっていく仕組みをつくるうえでは、安全管理のしやすさが何よりも重要になります。
なお、箱わなは導入コストが安い道具ではありません。1基あたりで見ると、くくりわなよりもずっと高価で、わなだけで、10万円を超えることもあります。それでもハンターバンクが箱わなを選んだのは、安く捕ることよりも、安全に関わることを優先したからです。
▲閉まった扉が再度開かないように動作するストッパー
観察と改善を重ねながら学びやすいこと
箱わなは、ケリ糸など触れれば扉が落ちる仕組みがあり、そのケリ糸に触れさせるために、エサによる誘引を行います。設置場所の見極めは重要ですが、くくりわなほど精緻な読みを必要とせず、時間をかけて観察と改善を繰り返しながら捕獲につなげていくことができます。
具体的には、エサで誘引しつつトレイルカメラで様子を確認し、設置場所やエサの置き方を改善していくことができます。なぜ入らなかったのか、どの時間に来ているのか、どこまで警戒しているのか。こうしたことを写真や動画で確認しながら学べます。
運用をコントロールしやすいこと
箱わなは、ケリ糸(トリガー)の設定を調整することで、作動のタイミングをある程度コントロールできる点も特徴です。また、扉を固定しておけば、稼働する日と稼働しない日を管理しやすいという利点もあります。
これは、都市部から週末に通うハンターにとって大きな意味を持ちます。平日は扉が落ちないようにしておき、土日など現地で対応できる日に稼働させる。そうすることで、捕獲後にすぐ確認・対応できる体制を作りやすくなります。
ここまで見てきたように、箱わなは安全性・学びやすさ・運用のしやすさという点で、初心者が関わる仕組みに適した特徴を持っています。
くくりわなと箱わなの違い
安全性を考えるうえでも、くくりわなと箱わなの違いは一度整理しておきます。

くくりわなは非常に有効な道具です。特に、獣道や足跡を読み、どこに足を置くかまで予測できる熟練者にとっては、強力な捕獲手段になります。かけたコストに対する捕獲成果で見れば、くくりわなのほうが捕獲効率が高くなる場面もあります(もちろん、捕獲者のスキルに大きく依存します)。
一方で、ハンターバンクは初心者を含む会員が現場で学びながら、地域の獣害対策に関わっていく仕組みです。そこでは、最初から高い捕獲効率を求めるよりも、箱わなを使いながら経験を積み、知識や技術を身につけていくことのほうが大切になります。
ハンターバンクの前提条件
ここまで見てきたように、箱わなには、安全性・学びやすさ・運用のしやすさという3つの利点があります。効率だけを追えば、くくりわなに分がある場面も少なくありません。それでもハンターバンクが箱わなを選んだのは、初めて狩猟に関わる人であっても、安全に、学びながら、無理のない形で関われることを重視しているからです。
ハンターバンクでは、こうした道具の使い方も含めて、初心者が現場を理解しながら学べる説明会や会員向けの情報発信を行っています。
狩猟や獣害対策に関心がある方、現場を見ながら学んでみたい方は、ぜひ説明会にご参加ください。
▶ オンライン説明会(エリア共通)
また、メルマガでは説明会情報や活動の様子、現場で得られた気づきなどもお届けしています。
まずはメルマガ登録からでも歓迎です。通常、週に1~2回の配信です。
▶ メールマガジン登録