山に行かない日も狩猟は続く。Slackの楽しみ方
寝る前に、スマホで箱わなの写真を確認する。
昨日は雨だったけれど、今日、金曜日は一日晴れた。しかも、昼間にメンバーが米ぬかを撒きに行ってくれている。21時30分のカメラからの定時送信もばっちり。ケリ糸も張ってあって、準備は万端。
「この週末、捕獲があったらいいなあ……」
そんな期待を胸に眠り、翌朝、もう一度スマホを開く。そこに捕獲されたイノシシの姿があったら……一気に目が覚めます。
ハンターバンクでは、山に行かない日にも、こんな楽しみが続いています。現地と、仲間と、いつもの暮らしをつないでいるのが、コミュニケーションアプリの「Slack(スラック)」です。
スマホを開けば、山と仲間につながる
ハンターバンクでは、仲間や現地スタッフとの連絡にSlackを使っています。スマホにアプリを入れれば、会社での休憩中でも、自宅のリビングでくつろいでいるときでも、現地の様子や仲間との会話を確認できます。
箱わなの近くに設置したトレイルカメラからは、動物たちの写真がSlackに届きます。見回りに行った仲間からは、米ぬかの減り方や、周囲に残された足跡の報告も。
「今日は何か来ているかな?」
初めは、そんな気持ちで眺めるだけでも十分です。イノシシやシカだけでなく、タヌキやアライグマ、いろいろな鳥が写ることもあります。
何度も見ているうちに、「この時間によく来るな」「昨日は一頭だったのに、今日は三頭いる」と、小さな変化が気になってきます。次に山へ行く日までの間にも、自分たちの箱わなの周りでは、いろいろなことが起きているのです。
写真一枚から、作戦会議が始まる
動物が来たからといって、すぐに捕まるわけではありません。
たまたま近くを通っただけかもしれません。箱わなの外にある米ぬかだけ食べて帰ったり、前脚を入れたところで引き返したり。こちらの期待どおりには、なかなか動いてくれません。
大事なことは、写真を見て考える事。
「昨日より、奥まで入っていますね」
「米ぬか、嫌いなのかも?」
「まだ箱わなを気にしているのかな?」
「次の見回りで、周りの様子も確かめてみます」
写真から考えたことを話し、現地で確認し、その後の変化をまた写真で見る。そんなやり取りを重ねながら、仲間や現地スタッフと作戦を考えていきます。
初心者ならではの「どうして?」も、会話の入り口になります。自分では気づかなかったところに仲間が注目していたり、スタッフの説明で動物の行動の見え方が変わったり。写真一枚にも、いろいろな発見があります。

今にも触りそう。そのとき、実況中継が始まる
ときには、箱わなの扉が閉まるきっかけになる「ケリ糸」のすぐ近くまで、イノシシが入ってくることもあります。
届く写真を見た会員同士で、こんなやり取りが始まります。
「もう少し奥!」
「今、触りそうだった?」
「ああ、そこで帰るのか……!」
それぞれ別の場所にいるのに、気持ちは同じ箱わなの前。写真が届くたびに、会話が動き出します。
現地スタッフも寝る前と朝のスマホチェックが楽しみになっています。「今夜こそ」と期待した翌朝に捕獲を確認できたときは、かなり熱くなります。
見回りに行き、エサを撒き、仲間と相談しながら見守ってきた動物です。捕獲の知らせが届けば、現地にいない仲間も一緒に喜べます。そこまでの経過を知っているからこそ、「獲れた!」のひと言に、いろいろな思いが詰まっています。

捕獲の後は、自慢のジビエ料理大会
捕獲の喜びは、食卓にも続きます。
解体して持ち帰ったお肉が、それぞれの家でどんな料理になったのか。写真を投稿すると、今度は料理の話で盛り上がります。
焼いたり、煮込んだり、カレーにしたり。同じ獲物のお肉でも、作る人によってまったく違う一皿になるのが面白いところです。
「おいしそう!」
「どうやって作ったんですか?」
「次はそれをやってみよう」
気がつけば、スレッドがジビエ料理の写真でいっぱいに。ちょっとした「自慢の料理大会」が始まります。
一緒に捕獲を喜んだ仲間が、今度はそれぞれの食卓で楽しんでいる。そんな様子まで見られるのも、ハンターバンクの日常です。


ちょっと聞きたい、ちょっと見せたい
Slackで交わされるのは、捕獲の作戦だけではありません。
使ってみてよかったナイフを紹介したり、手入れの方法を聞いたり。エサについての工夫を話題にして、スタッフに相談することもあります。
現地では聞きそびれたことや、帰宅してから気になったことも、ひと言書いておけば会話のきっかけになります。
狩猟を始めたばかりのころは、分からないことがたくさんあるものです。その一つひとつを、次に現地へ行くまで抱えておかなくてもよいのは、心強いところでしょう。
同じ趣味を持つ人たちが、捕獲という共通の目的で集まっている。ハンターバンクのSlackは、そんなSNSともいえます。自分の疑問が誰かの疑問でもあり、自分の小さな工夫が誰かの参考になる。経験の違う仲間が集まるから、話題も広がります。
獲物が来ない日も、話のタネはやってくる
もちろん、カメラに毎日イノシシやシカが写るわけではありません。
そんな日に、小さな鳥が一羽。
「この鳥、何でしょう?」
写真から鳥の名前を当てるクイズが始まることもあります。アオジには「八王子・冬の黄色担当」なんて役割がついたりして、狩猟の作戦会議が、いつの間にか野鳥の話になっていたりします。
名前が分かると、それまで「小さな鳥」だった一羽が、次からは「あ、またアオジが来ている」に変わります。
捕獲対象の動物を待っている間にも、その場所で暮らすいろいろな生きものが見えてくる。仲間と話しながら観察していると、獲物が来ない日にも楽しみが見つかります。

狩猟を入り口に、その地域をもっと知る
ハンターバンクの現地スタッフには、地元で狩猟やジビエの仕事をしている人、林業会社で働く人など、その土地で活動している人たちがいます。
そうしたスタッフが、地域のイベントや、自分たちの仕事・活動の様子をSlackで紹介してくれることもあります。
狩猟のために通い始めた場所で、面白そうな催しを知る。スタッフの仕事の話から、その地域の山や暮らしに興味を持つ。見回りの帰り道に寄りたい場所ができる。
そんなきっかけが増えると、現地へ行く楽しみも広がっていきます。
箱わなのある場所に、知っている人がいる。狩猟以外にも、気になることがある。何度も通い、会話を重ねるうちに、その地域が少しずつ身近になっていきます。
次に山へ行く日が、もっと楽しみになる
仕事や家族との予定があって、毎週は山に行けない。それでも、スマホを開けば、動物たちの様子や仲間の会話に触れられます。
昨日の写真で気になった場所を、次の見回りで確かめたい。仲間と話した作戦を試してみたい。獲れたお肉で、あの料理を作ってみたい。
Slackで交わす小さなやり取りが、次に山へ行く楽しみにつながっていきます。
まずは写真を眺めるところから。気になることがあれば、ひと言書いてみてください。
山に行かない日も、仲間と一緒に狩猟を楽しめる。ハンターバンクには、そんな日常の中に非日常があるとも言えるのではないでしょうか?
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